2007年5月22日

バラライカオケ・ドムラ・フォーミン・・・

「バラライカ物語」を読んだ。故・北川つとむ氏も序文を書いている。100年以上も前にバラライカ・ドムラといったロシア民族楽器を復興し、民族オーケストラを創始したV.V.アンドレーエフ氏の伝記である。

バラライカのあの形は、貧しい農民が4枚の三角の板という最小限の材料で作ったためだとか。(初期のバラライカには裏板や側板はなく、ちょうど裏を頂点とする三角錐のような貼り合わせ方をしていた)農夫が弾いていたバラライカをふと聞いたのがきっかけで、アンドレーエフはその魅力に取り付かれ、自ら名手として、奏法や楽器の構造を研究して、バラライカを芸術にまで高めていく。
アンドレーエフの演奏を聴いて集まってきた仲間と楽団を組み、練習するアンドレーエフだが、素人だからといって絶対妥協しない。細かいところまで全員が自由自在に表現できるまで練習を繰り返す。アンドレーエフの言葉がいい「人々に受け入れられる唯一の方法は自ら心をこめて歌うこと、すべての人々と感情を一つにして演奏すること・・・」これは勿論あらためて僕らも肝に銘じなくてはいけない言葉だ。

当時の音楽界からは農民の卑しい楽器と半ばバカにされ、大して期待していなかった聴衆の前で、アンドレーエフとその楽団は見事な演奏で聴衆を熱狂させてしまう。ヨーロッパ各地でセンセーションを巻き起こし、ついにはチャイコフスキーまでがバラライカの音色に感激する・・・。

以前からオシポフバラライカオーケストラのCDにはまったり、現代ドムラの名手・グーセヴァやナターリャの演奏会を見に行ったりして興味があったのだが、マイブームが再燃してしまった。
そもそも単弦でありながらあの深くてやわらかい響き、途切れることの無いトレモロが出来るのはなぜであろう?マンドリンの奏法への重大なヒントが隠されている気がしてならない・・・

それに今回アンドレーエフの盟友としてフォーミンが出てくる。僕の大好きな「シンフォニック・ポエム」の作曲者である。リムスキーコルサコフの弟子だったらしい。こうなると、ロシア民族オーケストラ、ドムラ、フォーミン、というキーワードが三題話のように頭から離れない。いつか何らかの形でこのイメージを実現したいものである。

まあ、ここ数年ロシア物ばっかりだが・・・