2010年8月3日

バッカス三十六計(抄)

以前、知り合いから、中国人とビジネスをしても日本人には絶対勝ち目が無いという話を聞いた。
大陸のドライな人間性もあるのだろうが、ひとつには多くの中国人は子供の頃から「兵法三十六計」を、掛け算九九のようにそらんじているからだそうな。(日本では一番最後の「三十六計逃げるにしかず」だけが有名)
中国らしいシビアな処世訓であり、「だますよりだまされるほうがいい」という日本人のメンタルとは相容れないものであるが、僕の好きな春秋や三国時代のエピソードがたくさん引用されているので、結構好きで覚えている。
今日はその三十六計をいくつかバッカス風にアレンジして、最近増えてきた新人さんにバッカス内、いや、マンド界、ひいては人生を生き抜く道しるべにしてほしい・・・。

第一計 オケをおだてて海を渡る
練習が始まった頃、難曲でかなり出来がやばい場合、少しでもいいところを無理やりほめておだてると、本当によくなっていき、ついにはうまくいってしまうという計略。バッカスはほとんど毎回これ。

第二計 ギターを囲みてチェロを救う
低音パートが全体にやばいとき、まずギターを攻めてそのすきにチェロがつっこみどころを感知し必死に音を取るという、普通に見られる計略

第四計 逸をもって労を待つ
演奏会場を遠くしたり、猛暑の季節にして、お客様の脳をノンレム睡眠状態にしたところに、満を持して魂のサウンドで迎え撃つという計略

第六計 1stを指してdolaを撃つ
来週は1STを集中攻撃するよ、といいながら、DOLAを攻撃する。1STは予習をしてあるので弾けるし、ドラも極限状態になり弾けるようになるので、一石二鳥の計略。ただし使いすぎると反乱が起こる。

第七計 無中に有を生ず
無いのに有ると見せかけ、あるいはあるのにないと見せかけ、駆け引きをする計略。具体的に何かっっていうと「教養」・「下心」など。

第八計 夜、暗かに東京湾を渡る
合宿いけるかどうか分からないんだよな~、といいつつ、深夜アクアラインや最終のフェリーに乗って打ち上げに参加するという計略。

第十計 笑いに刀を隠す
今日は○○パート少ないね、練習日まちがえてんのかな、アハハハハ・・・といいながら目が笑っていないという計略。

第十一計 李は桃に代わって枯れる
桃と李の木が並んでいたがおいしい李にムシがたかって枯れたという故事から、まじめにがんばりすぎるとぼろぼろになるので、適当にやろうという都合のいい計略。

第十六計 捕らえるために暫く放つ
最終的に末永く団員になってもらうために、ブランク・復帰にゆるやかな団としての戦略。

第二十一計 金蝉脱殻
合宿の最終日、席はあるのにいつの間にかいないという計略。

第二十六計 桑を指して槐を罵る
みんなのためにあえて特定のパートにしつこく絡み、スケープゴートにするという高等計略。心の中では「ごめんね」と言っている。

第二十七計 醒めていて痴を装う
「全然練習してないよ~」といいつつ、合奏が始まるとバリバリ弾いて快感を覚えるという計略。

第二十八計 屋根にのぼらせ梯子をはずす
リハで「じゃあ、みんなでここで立って叫び声ね」と約束しておきながら、本番で立って叫んだのは自分だけだったという現象。

第二十九計 樹上開花
花が咲かないはずの樹に花を咲かせるから転じて、から元気のこと。 テンションが低くても、やけくそで体を動かして演奏していると本当に元気が出てくるという計略。

第三十計 客を転じて主となす
あっ!見学?気楽にみていって!といいながら、いつの間にか楽器を持たせ、あっそこ下弾いて!などと合奏の主役に祭り上げてしまうという計略。

第三十一計 美人計
読んで字のごとくTOPに美人を任命し、指揮者の怒りを和らげ鋭い追求を避けるという計略。バッカスでは今年はbass以外の全パートが使っている・・・(うまいね)

第三十二計 空城計
合奏上に行くと会場に誰もいない。もしかして今日は日にちを間違えたのか?・・・とはいるのをためらっていると、続々と人が集まってきて、単に集まりが遅かっただけという現象。

第三十六計 逃ぐるを上計となす
以上の計略を駆使してもうまくいかないときは、ばっくれるのが一番(いけません)